ふくしまオーガニックコットン・プロジェクト

ふくしまの元気を世界に発信していきます。

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◆皆様が栽培した綿をピープルへお送りください。◆

<送り先>

〒971-8168
福島県いわき市小名浜君ケ塚町13-6
TEL 0246-52-2511 / FAX 0246-92-4298

 

ふくしまオーガニックコットンプロジェクトについて

 3.11東日本大震災による、未曾有の複合的な災害(地震・津波・原発事故・放射能汚染・風評被害)により、福島県の農業はいまだに厳しい状況に置かれています。

首都圏への食料供給地の役割を担って来た福島県の農業ですが、農業従事者の高齢化に伴い、近年耕作放棄地が増えつつありました。

そこに3.11の震災が襲いました。

 

震災後は農作物を生産しても放射性物質汚染の懸念から福島県産は敬遠され、生産者側も農業を断念するケースが後を絶ちません。また沿岸地域では津波による塩害に苦しむ農耕地も拡がっています。

福島県の地域経済を支えてきた農業生産高は激減し、生産農家は困窮して元気を失い、地域経済崩壊の危機に直面しています。また15万人もの方々が避難生活を余儀なくされ、不自由な生活を続けています。

ふくしまオーガニックコットンプロジェクトはこの苦境を少しずつでも打開すべく、2012年度に始まりました。

 

食用でなく、塩害にも強く、放射性物質の移行係数が低い、とされる綿を有機栽培で育て、収穫されるオーガニックコットンを製品化する一連の事業モデルを 構築し、福島県の農業の再生、及び地域に活気と仕事を産み出すことを目的としています。また、いろんな人が参加することで繋がり、楽しみながら、励まし合 いながら、ふくしまの復興へと歩んで行く、市民参加型のプロジェクトです。

 

20年以上にわたり福島県のいわき市を中心に古着のリサイクル業に携わってきた NPO法人  ザ・ピープル (震災後、いわき市小名浜地区復興支援ボランティアセンターとしても活動中)と、「今の福島だからこそ、オーガニックコットンの栽培を広めて行こう!」と手を挙げてくれた、日本のオーガニックコットン業界を牽引している(株)avanti とがタッグを組んだことでこのプロジェクトは始動しました。信州大学より稀少価値の高い日本在来種の茶綿の種を譲り受けて栽培をスタートさせました。

 

日本では綿の栽培は殆ど行われなくなっていますが、世界の綿産地では農薬(化学肥料、除草剤、枯葉剤)の使用により環境や健康に被害を及ぼす農法が主流 となっています。近年、先進諸国ではこうした状況を改善していこうとする動きから、オーガニックコットン製品の需要が高まっておりますが、日本ではまだま だ問題意識が低いのが現状です。原発事故により、環境に大きなダメージを負っているこの福島県から発信し、環境にも健康にも良いオーガニックコットン栽 培、そしてその利用を日本中に広めて行くという試みでもあります。

綿の栽培というだけでも今では珍しいところに、非常に人手がかかる有機栽培で行うという更に高いハードルを越えるため、多くの方々の、いろんな力を借りています。2012年度からのべ5,000人以上の方々が全国から栽培地を訪れて力を貸してくれています。

2012度の綿の収穫は約300kg(種を含む)で、目標の半分にも及びませんでしたが、その綿から「コットンベイブ」(綿の種付き人形)が生まれ、一方ではTシャツが商品化されました(2013年6月発売開始、いわき等国産茶綿5%、アメリカ産オーガニック白綿95%)。

 

2013年度は栽培面積も培近く(2.7ha)に増えて、収穫量は約3倍(900kg)になりました。いわき市内の小中学校や農業高校とも連携して栽培 を行い、綿を通して子供達は様々な事を学んでいます。コットンベイブ等の物づくりは、仮設住宅や障害者施設はじめ、地域のお母さん達の手仕事となって、楽 しみながら熱心に製作に取り組んでいただいています。そしてそのコットンベイブの種等から「福島頑張れ!」という想いを込めて1年かけて栽培していただい た綿が全国から福島へ送られて来ています。

  

    2014年度はいわき市内だけでも12校の小中学校で約650人が綿の栽培に挑戦しており、市外、県外の子供達へも栽培の環が拡がっています。磐城農業 高校から綿の種や苗を一般に配布したことで、地元いわきにも今年は広く栽培が普及し、収穫を楽しみにしています。

全国の皆様からのたくさんの応援を受け、2012年に蒔いた種はいろんな形で確実に芽を出し、「新しいふくしま」が始まっています。