【2019年11月11日号】 いわき震災通信(ピープル&おてんとだより)vol.6

【2019年11月11日号】 いわき震災通信(ピープル&おてんとだより)vol.6

ピープル&おてんとだより vol.6を配信させていただきました。
FBでつながっている皆様にもお読みいただけたら嬉しいです。

【2019年11月11日号】Vol.6
皆様、
Vol.5から随分と間が空いてしまいました。
自然災害の多い国に住んでいるのだと自覚させられることが多くなってきた今日この頃ですが、まさかいわきの地が再度自然災害に見舞われることになるとは、思ってもいませんでした。
皆様のお住いの地域は大丈夫でしたでしょうか?

先月の台風19号により、いわき市では市内を流れる夏井川をはじめとする何本かの河川が氾濫し、浸水被害にあった家屋が4000棟を超えるという事態に見舞われました。
私たちが「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」としてコットン栽培を行っている圃場の一つも夏井川の氾濫のために水没し、目にしたときには泥の海の中に倒れかけた株が顔を覗かせているという状況でした。また、その圃場を管理して下さっている農家さんんのご自宅も床上浸水の被害に見舞われ、現在でも床下に溜まった泥を取り除くための作業が続いている状況です。
11月初めの3連休の時期、いわき市長が「この3連休中に被災ゴミを一掃したい」と表明していたのを受けて、関係業界や消防団、ボランティアが一斉に動き、大分街中の被災ゴミの片づけは進んできましたが、その前は被災エリア内の道端や公園に被災家財が山積みになり、正に311発災時の津波被災エリアの情景が蘇ってくるようでした。
この情景を目の当たりにして、ピープルとしても被災された方々の支援のために「災害ボランティアセンター」の機能を持つ組織として動き出さずにはいられませんでした。被災された方々に支援品として古着などの衣料品を届けること、浸水被災後の清掃用に使い古しのタオルを集めてお届けすることを皮切りに、ご縁があって繋がって下さっている地域内外のボランティアの方々の力をお借りしながら、僅かながらではありますが支援活動を続けています。
被災家屋の清掃やごみの搬出、床下の泥除きなど。できる限りの活動ではありますが、被災された方の要望に応えようとしているのです。
私たちが動き出したことをSNS上でお知りになったご縁のある方々から、支援金を送っていただいたり、衣類やヘルメット、土嚢袋、ホッカイロ、食品などの支援品をお送りいただいたり、本当に地域外の方々に助けて頂いて今日まで動き続けています。
津波被災の時との大きな違いは、床上浸水しても2階に住み続ける自宅避難の方が圧倒的に多いというところにあります。
いわき市の場合は浄水場の被災に伴い多い時には4万戸が断水。その期間が2週間も続きました。
そんな中、自宅で住み続けることを決断した方が沢山おられたのです。そして、住み続けるために自宅を少しでもきれいに掃除しようとするとき、使い古しのタオルがいくらあってもありがたいと被災された方々からの声を受けての呼びかけに、応えていただいたのです。
この場を借りて、心から御礼申しあげたいと思います。

被災された方のお宅では、1階に置いてあった家財のほとんどは集積所へ運び出されることになりました。大切な記念の品もアルバムも無造作に集積所に山積みにされてしまっていました。
被災直後にとにかく片付けたい一心で廃棄を決めてしまったものの、後々後悔されたという話を震災後に耳にしたことがありましたが、そんなことが一軒、一軒のお宅の家財、打ち捨てられてしまった家財の中にあるのではないかと、心配になるほどでした。
地域の農業者にとっては、新米の収穫が終わり冷蔵庫に入れたばかりの米が水没して売り物にならなくなりました。稲刈り直前の水田も泥に埋まり、収穫を見込めなくなりました。そうしたいわきの状況が報道に流れるまでにかなり時間がかかったために、いわき市へのボランティアの受け入れがなかなか増えないという事態にも見舞われました。

ピープルとして僅かながらも「災害ボラセン」の機能を果たし始めたことで、私たちの日常は一変しました。
古着リサイクル活動、「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」、「フードバンクいわき」という3本の柱の事業に加えて、「災害ボラセン」として動くということは、平日と休日の双方に活動が入ってくることを意味します。スタッフたちへの負担は決して少なくありません。
ふと愚痴がこぼれる瞬間がないわけでもありません。それでも、ピープルでは動き続けています。支えてくれる多くの仲間に恵まれているからこそできているのだと、あらためて実感しています。

先日から、いわき市社会福祉協議会「災害ボランティアセンター」などが中心となって始まった「台風19号被災者支援情報共有会議」(毎週木曜日18:30~)に出席させていただいています。
行政も、社協も、民間団体も一堂に会する形での情報共有の場がこのタイミングで持てたことは、震災の経験がものを言っているのかもしれません。しかし、この会議への地元団体の出席は僅かです。
震災の時のように市全域が被災したわけではないのにも関わらず、こうした会議に出席して情報を得ようとする民間団体があまりないことに違和感を覚えます。
個々の団体は動いているのでしょう。
でも、こうした場で情報共有を進めないと支援の抜け・漏れにつながることを、私たちは震災で経験してきたはずなのですが…。
次回は、11月14日(木)18:30~ 社会福祉協議会ビル5階会議室 にて。
関係団体の皆様、是非、参加をご検討ください。

別件になりますが、11月24日(日)13:00~古滝屋10階松の間で「第18回いわき地球市民フェ
スティバル」が催されます。ピープルではこちらの事務局も担っております。
もし、お時間がありましたら、いわき市在住の外国にルーツのある方々のスピーチを聞きにおいで
になってみませんか?

いつもながら長文で失礼いたしました。

 

吉田恵美子
特定非営利活動法人 ザ・ピープル 理事長
事務局 〒971-8168 福島県いわき市小名浜君ヶ塚町13-6
TEL 0246-52-2511 FAX 0246-92-4298 携帯 090-2881-3107
URL:https://npo-thepeople.com/
小名浜ボランティアセンター センター長
URL:http://onahama-volunteer.jimdo.com/

いわき おてんとSUN 企業組合 代表理事
事務所 〒970-1152 福島県いわき市好間町中好間字川原子作17-1
TEL 0246-80-0662 FAX 0246-85-5978
URL:http://www.iwaki-otentosun.jp/