【2016年11月24日号】いわき震災通信vol.93

【2016年11月24日号】いわき震災通信vol.93

皆様、

一昨日の福島沖での地震と津波の報に、たくさんのお見舞いのメッセージをいただき、ありがとうございました。

3・11を思い出させる大きな揺れに、ドッキリさせられましたが、何とか事なきを得ました。

いわき市内では,新しく建てられた災害公営住宅の壁面や地面にひび割れが生じたり、酒店で瓶が割れたりといった被害もあったようですが、身構えたほど大きなの被害にはならず何よりでした。

それにしても、日本国内どこにいても地震・津波被災から身を守ることを常に心に留めておかねばならない時代に入ったという気がしてなりません。

そして、また今(24日6:23)揺れがきました。

皆様もお気をつけください。

 

11月8日から13日までの間、ミクロネシアに行って参りました。

観光目的ではありません。

ミクロネシアに「福島からの希望の灯りを届ける」という事業でした。

昨年度の太平洋・島サミットで生まれた島嶼国との関係を一過性のものにしてしまわぬために、民間での動きを生み出そうと企画されたものでした。

いわき地球市民フェスティバルをはじめとするさまざまな機会に、福島の子供たちがセルを1枚1枚ハンダゴテで繋いで作り上げたソーラーパネルを、ミクロネシアのチューク州の高校と2つの離島の小学校兼村の集会所に届けてきたのです。

それぞれの場所で、ソーラー発電で日没のあと数時間明かりが灯ることになります。

特に、非電化地域である離島の人々には、発電機を持てない貧しい人でも電気の明るさを手にできることを、喜んでもらいました。

ただパネルを届けるだけではなく、いわきからソーラー発電に関する専門家が同行し、電気のイロハから日常のメンテナンスに至るまでの技術指導も併せて行いました。

「物資を届けてもらうだけの支援では、使い方を十分に理解せぬまま、すぐに故障させてしまいます。そのあとはゴミになるだけ。そうした支援はこれまでずっと断ってきました。今回は、技術の指導があるということで期待していました。」私たちを迎え入れてくれた高校の理事長の言葉です。

その高校には、チューク州のみならずミクロネシア各地から優秀な生徒が集まって来ており、ミクロネシアの次世代を担う若者16名が、熱心に技術の習得に励んでくれました。

この学校は、日本占領下にあった時代、日本軍の通信施設だった場所でした。

校舎として、今もその当時の建物を使用しています。

朱色に塗られた異様なほど頑丈な鉄扉や、爆撃を受けた天井の傷跡などがそのことを物語っていました。

日頃私たちの生活の中では、遠く彼方に過ぎ去ったものだと思っている第二次世界大戦が、生々しい姿でそこに残っていることに、胸を打たれました。

日本から、福島から、私たちがこの度届けようとしているのは、戦うための技術ではなく、暮らしを守るための技術です。

高校では、技術指導の最後に時間を取って、全校生に向け「福島からのメッセージ」を伝えさせていただきました。

東日本大震災を体験したことで、福島に住む私たちが学んだこと、気づいたことから生まれたメッセージです。

彼らが、今回学んだ技術とソーラーパネル、そして私たちの思いを、彼ら自身の手で離島に届けてくれる日が来ることを願わずにはいられませんでした。

 

11月18・19日、東京国際フォーラムで開催された「オーガニックライフスタイルEXPO」に出展させていただきました。

いわきおてんとSUN企業組合の「ふくしまSIOME」と、コットン栽培などでご一緒している広野わいわいプロジェクトとしての出展でした。

広野わいわいプロジェクトのブースでは、広野町のお母さんたちが手作りしているコットンベイブの販売や、ベイブ作りの教室をさせていただき、いわきや広野町に来てくださった方々に再会させていただきました。

そして、ブースで一番熱が込もっていたのは、12月17・18日に開催される「第3回広野町へのボラバスツアー」へのお誘いでした。

ツアー内容はhttps://www.facebook.com/events/1779786888949694/に詳しく掲載されています。

コットン収穫もそろそろ終盤。今回のボラバスでは、1泊二日で常磐湯本温泉を楽しんでいただいたり、「ふくしまSIOME」の新商品バスタオルのモニターになって頂いたり、広野町のいいところを見ていただいたり、もちろんコットン収穫をしていただいたり…と、盛りだくさんの内容になっています。

ちなみに、参加費は14,000円です。

忘年会シーズンだとは思いますが、是非ご参加をご検討下さい。

「ふくしまSIOME」のブースは、コットン畑が広がるモノクロの大きな写真が壁面を飾り、おしゃれな空間ができあがっていました。

こちらは、企業組合のコットン事業部を背負って立つスタッフの酒井と、いつもお世話になっているデザイナーの伊藤陽子さんの作品です。

「ふくしまSOME」というブランドが、他のオーガニックコットン関係のアパレルメーカーの中にあって、ちゃんと独り立ちできていることに胸躍る思いがしました。

ここまで支えてくださった、たくさんの方々のお力添えの賜物です。ありがとうございました。

 

12月3日、「みんなの畑」の収穫感謝祭が催されます。

今年1年、富岡町をはじめとする避難者の皆さんと一緒に栽培してきたコットンと、「みんなの畑菜園」と名づけて栽培してきた野菜の収穫を喜び合う場です。

当日は、小名浜上神白のコットン畑での収穫体験の後、皆で作った豚汁の昼食を味わい、ウクライナの歌姫カテリーナさんのミニコンサートを楽しみ、綿繰りや糸紡ぎを皆で体験することになっています。

もちろんPA用の電源はソーラーです。

昨年の収穫祭は、雨に祟られて畑に1歩も入れないまま終わりました。

今年は、皆で育てた大根や白菜を、皆で調理して食べることになっています。

何としても雨にだけはなって欲しくないものです。

今から、てるてる坊主の準備をするつもりです。

会場は、上神白地区にある大熊町からの仮設住宅集会所です。

お近くの方は、是非足を運んでみてください。

 

これから、年末にかけて都内で「福島オーガニックコットンプロジェクト」のことをご紹介させて頂く機会を幾つか持たせていただきます。

 

  • 11月28日~12月1日 11:00~20:00 銀座マルシェ

プランタン銀座の前の路面での販売になります。新商品のバスタオルをはじめ、各種商品を取り揃えての出店です。

長時間なものですから、どなたかお手伝いしてくださる方がいらしたら、嬉しいです。特に28日と1日、少しの時間でも構いませんので、お手伝い願えませんか?

  • 12月8~10日 10:00~18:00 エコプロダクツ2016

東京ビッグサイトでの日本最大級の環境展になります。8,9日には広野町のお母さんたちのコットンベイブ作り教室も開催されます。NPO・NGOコーナーN-28「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」ブースになります。

  • 12月23日 11:00~17:00 福島大交流フェア

東京国際フォーラムホールEでの開催になります。物販を行います。

いずれも、吉田が担当で出向いております。もしお時間があったら覗いてください。

 

いつもながら、長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

吉田恵美子

特定非営利活動法人 ザ・ピープル 理事長

事務局 〒971-8101 福島県いわき市小名浜蛭川南5番地の6

TEL 0246-52-2511 FAX 0246-38-9538 携帯 090-2881-3107

URL: https://npo-thepeople.com/

 

いわき市小名浜地区復興支援ボランティアセンター センター長

事務所 〒971-8164 福島県いわき市小名浜君ヶ塚町13-6

TEL/ FAX 0246-92-4298

http://onahama-volunteer.jimdo.com/

 

いわき おてんとSUN 企業組合 代表理事

事務所 〒970-1152 福島県いわき市好間町中好間字川原子作17-1

TEL 0246-80-0662 FAX 0246-85-5978

http://www.iwaki-otentosun.jp/