震災通信2011年9月

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9月17 日号
the-people

2011/09/17 12:15:00

11 日で、9.11同時多発テロから丸10年。そして東日本大震災から半年。
各地で追悼と復興のイベントが催されたとメディアが伝えています。
ご存知のとおり、福島県では、原子力災害による放射線の影響を踏まえ、将来にわたる県民の健康管理を目的とした「県民健康管理調査」を開始しています。全県民を対象に実施する「基本調査」では、3月11日~25日の行動記録を中心に、放射線による被ばく線量の推計評価等を行ない、その結果を一人一人に知らせると言います。
そして、福島市など中通りの線量が多い各地に続いて、いわき市でも調査票の送付が始まるそうです。
福島県のHPには、「外部被ばく線量は、『いつ』、『どこに』、『どのくらい居たか』、『どのように移動したか』など、皆様の行動記録の情報に基づいてしか推計することができません。」と、記載されています。
震災直後の日々をこと細かく思い出すには、あまりに時間が経過し過ぎてしまったようですが…。
今月に入ってから、小名浜地区内の県営雇用促進住宅に併設された集会所を利用しての被災者支援サロンの事業が始まりました。
お茶とお菓子を準備して集会所に出向き、市の一次提供住宅としてそこに住み始めた方々や以前から住んでおられた方々が足を運んでくださるのを待ちます。
時には都内の手芸店から提供を受けた手編み用の毛糸と編み針のセットを持参し、講師の先生を伴って、即席手芸教室が開催できるように準備を整えます。
まだまだ住民の方には馴染みの薄い事業ではありますが、二度三度と足を運んでくださる方も現われ始めています。
津波で被災されたときの状況をお話くださる方や原発事故後各地を転々と避難して歩かれた話を聞かせてくださる方。
お一人お一人にそれぞれ違った被災状況があることを改めて感じます。
話をした後にフッと心が軽くなる瞬間を感じていただけたら…そう願わずにはいられません。
本会と同じようなNPO法人は、いわき市内に60団体ほどあるといわれています。
震災後、素早い動きを見せた法人もあればなかなか動けずにいた法人もあるようです。
ありがたいことに本会は動き出しの早かった部類に属していたことが、いわき地区NPOネットワークの集まりの話の中で分かりました。
きっと、本会が古着という生活に密着しているものを扱っていたこと、市外に応援してくださる仲間のネットワークを持っていたこと、そして組織内に人的被害がなかったことなどが幸いしたものだろうと思われます。
いわき地区NPOネットワークとしては、所属する団体が協力し合って、仮設住宅が数多く建設された市内中央台エリアに事務所を持つNPO法人「自立生活センター」(長谷川秀雄理事長)を中心として「中央台くらしサポートセンター」を開設することになりました。
公的機関だけではケアしきれない部分を民間の力でカバーしようという試みです。
市内のNPO法人の足並みが揃えば大きな力になれるものと思います。
震災から半年が過ぎて、あの闇雲に動いていた日々をきちんと検証する作業の必要性が強く感じられるようになりました。
県内20箇所を越える本会と連携して設置されていた古着回収ボックスはどう機能していたのでしょうか?
福島市内や南相馬市のボックスで回収された古着の一部は被災者に提供されたとの報告が届いています。
半年という節目を越えて、これまでの反省に基づいて次の取り組みに向け歩みださなければならないと感じる日々です。
吉田恵美子特定非営利活動法人 ザ・ピープル 理事長

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9月30日号
the-people

2011/10/01 16:00:00

すっかり秋の風です。庭の柿の木は先日の台風15号の影響ですっかり実を落としてしまいましたが、地面に落ちた柿の実のオレンジ色が秋の彩を伝えてくれています。
明日から衣替え。そして、明日10月1日を境に色々なことに変化が出始めようとしています。
福島第一原発で緊急事態が生じたときに備えて避難の準備が求められている「緊急時避難準備区域」として、原発の半径20キロから30キロ圏内を中心に南相馬市、田村市、広野町、楢葉町、川内村の5つの市町村が設定され、住民の約半数が避難を余儀なくされています。
この「緊急時避難準備区域」の指定が、原発の1号機から3号機の原子炉の周辺温度がすべて100度を下回ったのをはじめ、5つの市町村で「復旧計画」の策定を終えて、学校や病院の除染などの対策を実施する態勢も整ったとして、明日を以って解除すると政府が決定しました。
「自宅に戻れる」という喜びと「戻って本当に大丈夫なのか?」という疑問。
年間の被曝線量が5ミリシーベルト未満の地域については、局所的に線量が高い一部を除いて財政支援は行わないとする政府の方針。
除染で発生する放射性物質を含む土や汚泥などの仮置き場が決まらない問題。
仮設住宅の集会場で何度も顔を合わせている対象地域の町からの避難者の方々が見せる思いあぐねた様な表情が思い起こされます。
まだまだすんなりと事が運ぶ状況にはなさそうです。

10月1日に始まることがもうひとつ。
スパリゾートハワイアンズの一部営業再開です。
湯ノ岳断層が館内を通り、今回の地震により発生した大きな亀裂が館内を走っていたと聞いていました。
施設が全く使用できなかったこの半年の間、いわきの復興への意気込みと応援に対する感謝の気持ちを、フラガールズの全国キャラバンといった形で伝え続けてきた地元随一の観光施設の再スタートです。
映画「フラガール」以来のファンも多く、いわきは「フラガールの生まれたまち」と名乗っていますし、私が実行委員としてお手伝いさせて頂いて9月4日に東京秋葉原で盛大に開催された「フラガールズ甲子園」大会もこの流れを汲む事業でした。
小名浜地区復興支援ボランティアセンターの活動に参加してくれているスタッフの中にも、ハワイアンズの休業でアルバイトの職をなくしたことがきっかけで…というメンバーもおりました。
いわきのまちが前に向いて動き出す為の、大きな一歩になりそうなニュースです。

そして、いわきを元気にする為の事業が、10月1日・2日にはもう一つ開催されます。
「がんばっぺ!いわき復興祭」です。
いわき市が中心に実行委員会を組織し、いわき市全体のちょうど中央に位置する21世紀の森公園を会場として開催されるお祭です。

震災のために単独開催が出来ずにいた様々なイベントを一箇所に集めて実施するもので、いわき大物産展・いわき産業祭・いわき踊り・各種スポーツ教室・フリーマーケット・ステージイベントなどが一堂に会します。
本会では、以前同じようなイベントのフリーマーケット運営を担当していたことから、フリーマーケットの募集・運営業務を任されて行なっています。
1日・2日両日とも、100件近くのフーマーケット出店者が集まりました。
原発立地地域から避難しておられる方の出店もあり、交流が進むきっかけ作りになればと願っています。
また、小名浜地区復興支援ボランティアセンターとしては、1日のいわき踊りにボランティアメンバーによる踊りチームの出場を決めており、支援物資として頂戴していた浴衣をリメイクしたオリジナルリメイク法被(川口市在住のリメイクファッション作家:リメイクピンゾロさんの作品です)を身に纏っての踊りを披露することになっています。ドン ワッセ!!

吉田恵美子
特定非営利活動法人 ザ・ピープル 理事長