【2017年7月28日号】いわき震災通信vol.97

皆様、

ご無沙汰しているうちに、早くも夏本番。

東日本大震災以降遊泳できずにいた、いわき市薄磯海岸でも、この夏漸く海開きが行われました。

海水浴客を迎えようと、僅か1軒にはなってしまいましたが海の家も建ちました。

そして、塩屋崎灯台を望む砂浜に、夏休みの到来を待ち望んでいた子供たちの姿が戻ってきました。

これで再開した市内の海水浴場は3箇所になりました。

震災以前のいわきの夏に着実に近づいています。

 

「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」では、震災後の福島県の農業と人の繋がりの再生を目指してその取り組みを進めて来ました。

そして、栽培6年目となる今年からは、帰還が始まった双葉郡富岡町や福島第一原発の北側に位置する南相馬市小高区と原町区でも、小規模ながらコットン栽培がスタートしています。

南相馬市で栽培を手がけてくださった方は、農家民宿を営んでおられる方やこれから始めようと計画しておられる方々です。

これから南相馬に足を運んで、農家の暮らし体験を楽しもうとしてくださる方々にとって、コットン栽培での農作業が魅力の一つに加わってくれたら嬉しい限りです。

そして、富岡町ではいち早く帰還を決められた方が、町の皆さんが帰ってきた時にコットンと共に「お帰り!」と言って迎え入れてあげたいと、栽培を開始してくださいました。

コットン畑での農作業が、帰還してこられる方々にとっての交流の場づくりに役立ってくれることを期待しての栽培です。

この富岡町でのコットン苗定植の日、庭の一角に設けられたコットン畑から10mほどの場所では、避難生活の間に伸び放題になってしまった竹藪の除染作業が行われていました。

全ての問題が解決しての帰還とは言い難い部分があることを感じずにはいられませんでした。

しかし、厳しい現実と隣り合わせではありますが、その中でも希望を見出そうとする…そうした取り組みのシンボルの一つに、このコットン栽培がなれたらと心から思います。

 

7月23日、このコットン畑での交流の場づくりとして「みんなの畑 夏祭り」が催されました。

以前もご紹介させていただきましたが、「みんなの畑」は原発避難者の方々がいわき市小名浜上神白のコットン畑の一角でコットンを栽培している取り組みです。

毎月1回の作業日には、公営住宅、みなし仮設、再建された住宅、仮設住宅と、様々な暮らし方をしておられる方が集い、共に農作業に汗を流しています。

昨年からは、「みんなの畑菜園」もスタート。野菜の栽培も手がけています。

その「みんなの畑」での農作業を一般の皆さんにも体験いただき、加えて地震・津波被災者の暮らす市営住宅と原発避難者が暮らす県営住宅が隣接する地区において、双方の集会所を会場とする食事会や縁日、ワークショップなどを通して、交流を楽しんでもらおうというのが「夏祭り」開催の趣旨でした。

農作業開始時間に畑に姿を見せたのは、いつものメンバーや近所の子供たち。そして、たまたまこの日援農バスツアーでいわきにおいでになっていた立正佼成会の皆さんなど、総勢100名近くになりました。

朝のうち雨がパラつき心配しましたが、農作業の間は時折小雨がある程度で、何とか無事に畝間の草刈りを終え、皆で集合写真を撮ることができました。

お昼からは公営住宅の集会所へ移動し、泉地区婦人会の方々のお手伝いをいただいて調理した焼きそばや焼き鳥、「みんなの畑菜園」で収穫したスイカなどを皆で味わいました。

縁日コーナーでは、輪投げやヨーヨー釣り、かき氷を楽しむ子供たちが集まって来ました。

そして、ワークショップコーナーでは、「コットンランプシェードづくり」の体験が行われました。

「コットンランプシェード」とは、福島で育てられたコットン(アップランド種の白いコットン)を、スピンドルやチャルカといった手紡ぎの道具を使って糸に紡ぎ、出来上がった糸を膨らませた風船の周りに貼り付けて乾かし、風船を割ってコットン糸で形作られたランプシェードを作ろうというものです。

ワークショップでは、集まってきた子供たちがチャルカでの糸紡ぎに夢中になって、どんどん糸を紡ぎ出してくれました。

次のステップでは、この糸でランプシェードが次々生まれてくることでしょう。

 

さて、このランプシェードで一体何をしようとしているのでしょうか。

出来上がったランプシェードの中にLEDのランプを入れて、ソーラー電源で灯すイベントを、来年の3月11日に催そうと企画しているのです。

名づけて「コットンランプシェードプロジェクト」。

糸を紡ぐための道具であるスピンドルやチャルカを長野県の木工職人の方々のお力添えをいただいて開発し、やっとプロジェクト名を付けて皆さんの協力をお願いできるところまでたどり着いたのです。

福島に足を運ぶことが難しい方にも、日常の生活の中で糸を紡ぐという行為を通してつながって頂けるプロジェクトとして考え出されました。

実際に、先日は神奈川県内で活動しているNPO法人WE21ジャパン相模原の皆さんにお招きいただき、実際に糸紡ぎを体験いただきました。

そして、相模原でも連携して糸を紡ごうという取り組みがスタートしました。

勿論、その際に使用する原綿は福島から送らせていただきます。

関心をお寄せいただける団体や企業の方がおられましたら、ピープルの事務局までご連絡いただければと思います。

 

また、7月29・30日の2日間、第2回オーガニックライフスタイルエキスポジャパン(東京国際フォーラム)会場内の日本オーガニックコットン協会(JOCA)ブース内で、綿繰りやスピンドル・チャルカでの糸紡ぎを実際に体験頂くこともできます。

29日には、長野県から木工職人でありながら糸紡ぎもプロ級の腕前の山田義明さんが指導に駆けつけて下さいます。

30日には、私自身が会場でお待ちしています。

もしお時間があれば覗いてみててください。

いつもながら、長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

吉田恵美子

特定非営利活動法人 ザ・ピープル 理事長

事務局 〒971-8101 福島県いわき市小名浜蛭川南5番地の6

TEL 0246-52-2511 FAX 0246-38-9538 携帯 090-2881-3107

URL: http://npo-thepeople.com/

 

いわき市小名浜地区復興支援ボランティアセンター センター長

事務所 〒971-8164 福島県いわき市小名浜君ヶ塚町13-6

TEL/ FAX 0246-92-4298

http://onahama-volunteer.jimdo.com/

 

いわき おてんとSUN 企業組合 代表理事

事務所 〒970-1152 福島県いわき市好間町中好間字川原子作17-1

TEL 0246-80-0662 FAX 0246-85-5978

http://www.iwaki-otentosun.jp/