【2017年3月12日号】いわき震災通信vol.95

皆様、

6年目の311を、皆様はどのようにお過ごしでしたでしょうか?

震災で命を亡くされた方々にとっては七回忌ということで、各地で様々な慰霊の集いが催されていました。

いわき市内だけでも、勿来、薄磯、四倉、久之浜…それぞれ津波被災の大きかった浜での慰霊の式典が催され、花を手向ける人々の姿がありました。

 

そんな中、私にとってこの日は、ひと味違ったものとなりました。

郡山駅ビルの中で、2時46分その時を迎え、一人心の中で手を合わせていました。

そこは、英国に本社がある化粧品メーカーLUSHの郡山店。

ホワイトデーのプレゼント用に石鹸などを買い求めるため店を訪れる人々の合間を縫うようにして、地元TV局の取材を受けていたのでした。

その場所が取材会場になったのには理由があります。

昨日、LUSHが「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」の布にオリジナルのデザインを施した風呂敷「Knot Wrap(ノットラップ)」を、日本をはじめとする世界49ヶ国930店舗で発売開始したのです。

元々LUSHは、動物実験に反対し、天然素材にこだわるなど環境に敏感な企業として知られています。

そのLUSHが日本古来の風呂敷にインスパイアされて販売しているのが、Knot Wrapです。

ペットボトルリサイクル製品、古い着物リメイク製品のKnot Wrapなどチャレンジを重ねていますが、昨年2月には福島産のオーガニックコットン製のものが作られ、国内で販売されました。

その発売記者会見の席上、今後に向けたコメントを求められて、私が冗談めかしてお話したのが「グローバル企業であるLUSHさんだからこそ、世界に向けて展開し、福島の想いを届けてください」との希望でした。

あれから1年。

何と、それが現実のものとして昨日から拡がり始めたのです。

福島の想いを込めた風呂敷が、世界中に羽ばたき始めました。

ノットラップを世界各地で使っている人たちの写真がアップされるデジタルコンテンツも用意されています。

「無限の旅をはじめよう Knot Wrapと一緒に」

https://www.lush.com/KnotWrapMap/

広がりは無限大です。

実は、今から10年以上前に、福島を訪れた故ワンガリ・マータイさんとご一緒させていただいたことがあります。

その当時マータイさんが世界に向けて語っておられたのが、日本伝統の「もったいない」精神であり、ビニル袋を使わない風呂敷を活用するくらしの素晴らしさでした。

ザ・ピープルとして長年取り組んで来た古着を燃やさない社会づくりに、共感してくださったマータイさん。

私たちが古布や古いジーパンのリメイクで作った布ぞうりやエコバッグを、嬉しそうに手に取ってくださったことを覚えています。

今回のKnot Wrapが、その時のマータイさんの思い出と繋がり、感慨深いものがあります。

マータイさんの想いも一緒に、日本の誇るべき文化として世界中に広がることを祈りたいと思います。

 

「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」では、2月17日に、栽培関係者30名ほどが集まって今年度の栽培の反省会を催しました。

毎年栽培指導をしてくださっている地力保全研究会会長の新井和夫先生を講師として招き、それぞれの農家さんたちから今年度の栽培の報告と今春からの栽培に向けた改良点の提案がありました。

収穫時期に感じる手応えとして、漠然とそれなりの収量が見込めるのではないかと思ってはいましたが、期待以上の数字を私たちは手にすることができました。

今年度のコットンの収穫量(シードコットン)が、何と1トンを超えたのです。

原綿計算でも330kgということになります。

栽培初年に比べ、栽培面積は2倍弱ですが、5年で収量は何と10倍に膨れ上がったことになります。

これは全てこれまで栽培を支えてくださった沢山の方々のお力添えの賜物です。

心から、御礼を申し上げたいと思います。

本当に、ありがとうございました。

 

「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」では、LINE株式会社のご支援で、スタンプを購入したりすることで寄付ができる仕組みの寄付先として選んでいただき、コットン栽培を支える寄付を現在募らせていただいています。(4月4日まで)

LINEをうまく使いこなせる若者たちと違い、なかなか告知さえままならないところがあるのですが、スマホを自由自在に使いこなしている皆さんのお力添えをいただけたら嬉しい限りです。https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2017/1670

そして、その収穫されたコットンで生み出されたオリジナル製品の数々が、3月14日から20日まで、日本橋ふくしま館MIDETTEで販売されます。http://midette.com/

NPO法人広野わいわいプロジェクトが今年度開発を進めてきた広野町のオリジナル新商品、ビスコッティ(イタリア名物の二度焼きしたクッキーで、広野産の米粉やエゴマが使用されています)のテスト販売の機会が設けられたのに合わせて、広野わいわいの皆さんも深く関わっている「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」の製品も一緒に!ということになったものです。

ピープルで開発を進めてきた手紡ぎ用のスピンドルとチャルカの販売も行い、福島で生まれたコットンを自分の手元で糸に紡ぎ出す面白さを広めていく仕掛けづくりにも着手することになっています。

コットンは、春を迎えてどんどん動き出そうとしています。

 

2月20日から23日まで、いわきおてんとSUN企業組合では、自主事業として、2回のバスツアーを催しました。

そのタイトルは、「エネルギーの上流と下流を繋ぐツアー」。(いわき市まち・未来創造支援事業として実施)首都圏をはじめとする大学生の方々を募り、福島県浜通りの現状をご覧いただく視察とともに、おてんとの再エネ事業の中で行っているソーラーパネル手作り教室を、いわきの小学生を対象に行うにあたっての講師役を担っていただこうという企画でした。

1泊2日のツアーに参加してくれたのは、遠くは山口県からの参加も含め、5大学40名。

ハンダゴテを持つことは初めての学生さんばかりでしたが、初日の夕方おてんと事務所で行われる事前体験でしっかり学んで、翌日には立派に講師役を務めてくれました。

指導を受けた子供たちは、2つの小学校の児童170名。

彼らが作り上げたソーラーパネルは、ネパールの地震被災した学校に届けられるということで、ネパールの子供たちに向けたメッセージカードも併せて作ってくれました。

後日寄せられた大学生からの感想からは、福島を訪れて直接福島に暮らす人々と話をしたからこそ知り得たことの多さと、福島からネパールへ希望の明かりを届けるという事業へ参加できたことを素直に喜んでくれていることが伝わってきました。

今月中には、これらのパネルとメッセージがネパールへと届けられることになっています。

福島は前を向いて進んでいきます。

でも、それはただ独りでではなく沢山の方々と一緒に…。

今後共、皆さんがご一緒くださることを心から願っております。

いつもながら、長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

吉田恵美子

特定非営利活動法人 ザ・ピープル 理事長

事務局 〒971-8101 福島県いわき市小名浜蛭川南5番地の6

TEL 0246-52-2511 FAX 0246-38-9538 携帯 090-2881-3107

URL: http://npo-thepeople.com/

 

いわき市小名浜地区復興支援ボランティアセンター センター長

事務所 〒971-8164 福島県いわき市小名浜君ヶ塚町13-6

TEL/ FAX 0246-92-4298

http://onahama-volunteer.jimdo.com/

 

いわき おてんとSUN 企業組合 代表理事

事務所 〒970-1152 福島県いわき市好間町中好間字川原子作17-1

TEL 0246-80-0662 FAX 0246-85-5978

http://www.iwaki-otentosun.jp/