【2015年12月31日号】 いわき震災通信vol.85

皆様、

今日は大晦日。

あと何時間かで2015年が終わろうとしています。

今年1年お世話になった皆様に、心より御礼申し上げます。

今年最後の震災通信を、滑り込みセーフ!というタイミングで、漸くお送りすることができました。

震災が起きる直前の2011年1月、ザ・ピープルでは創立20周年を記念したシンポジウムと祝賀会をいわき市内で催しました。

前年の12月に、任意団体としての結成からちょうど20年という節目を迎えていたのでした。

自分たちが進めてきた古着リサイクルの活動の振り返りと共に、長年活動を支えてくれてきた仲間たちに改めて自分たちの活動の意義を認識してもらうこと、その労をねぎらうことが開催の目的でした。地球環境基金の助成事業としてそれまで3年間かけて進めてきた、県内各地の古着回収ネットワーク構築事業の成果発表の場でもありました。結成25年目の四半世紀という節目も、同様に迎えられると信じて疑わない時期の開催でした。

その後の5年間。それは、私たちにとって激動の5年間であったといっても過言ではありません。

私たちの組織のみならず福島県全体が、未蔵有の複合災害に直面し、その対応の中からこれまでとは違った技術や価値観、社会を生み出す…そのための産みの苦しみの中にある。

そんな5年間だったのではないでしょうか。

そして、その過程はまだまだ道半ばに過ぎません。

結成から四半世紀というこのタイミングは、私たちにとって単なる通過点となりました。

今は私たちにとって、そしてこの地域にとって大きな転換の最中であり、まだ皆と思い出話をする時期ではないという思いがあります。ここからあと何年後かに、「震災後」という時期を振り返ることができるように、今は走り続けていきたいと思うばかりです。

12月10日から12日まで、東京ビッグサイトで催された「エコプロダクツ2015」に、今年も出展してきました。

「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」の名前での出展で、福島県いわき市を中心とした浜通りで、震災後在来種の綿花を有機栽培しているチャレンジについて紹介させていただいてきました。ここ数年、出展を続けさせていただく中で気になっていることがあります。大企業の立派なブースが会場のメインを埋め尽くす中、NPO/NGOブースは次第に会場の隅に追いやられているような印象がしてなりません。

今年の私たちの出展場所は、広い会場のまさに一番隅でした。

それでも、「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」のブース名を頼りに、わざわざ足を運んでくださる方が何人もいらっしゃって、嬉しい再会の場面がいくつもありました。

「いわきに行ってコットン収穫してきました」「うちのベランダでもコットンが実りました」「種を分けてもらえますか?自宅で育てたいのです」…。

4年間のプロジェクト継続の中で、首都圏にお住まいのたくさんの方々とご縁を頂いてきたのだと、改めて感じるひと時になりました。

そして、地球環境基金の助成事業であることを記した幟をブース内に展示していたところ、ある大手企業のCSR担当の方から、声を掛けていただきました。「自分の会社では、これまでずっと地球環境基金に寄付を行ってきています。その寄付金がどのように活用されているのか、実際にこうして目にする機会は今までありませんでした。しかし、今日寄付した先にこういう活動があることを確認できて嬉しく感じています。」新たな出会いをいただく場となりました。

「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」のコットン栽培は、漸く4回目の収穫を終えようとしている時期になります。今年の作柄は、正直あまり良くありません。

先日、今年の栽培を振り返る集いを、栽培をしてくださっている農家さんたちと持ちましたが、「今年はあまり良くなくて」と仰る方と、「今年は良く実りました」と仰る方が相半ばしているようでした。総収穫量は、おそらく最も収穫量が多かった年の半分程度に落ち着くのではないかと思われます。栽培年数を重ね、経験を重ねることが収量の向上に直接つながるものではない農業の難しさを、また噛み締めています。

そして、今年の締め括りの時期は、私たちのプロジェクトにとってもうひとつの意味で大きな難しさを抱える時期となりました。

これまで3年間栽培の中枢を担ってくれていた矢口拓也君が、いわきの地を離れることになったのです。

NPO法人ETICが行う「右腕派遣事業」を通して、彼がいわきに移住して活動をスタートしたのが、1年目の栽培を終えようとする時期でした。

それから3年間。ETICからの派遣時期を終えたあともいわきに留まりこのプロジェクトを支え続けてくれた彼の存在は、プロジェクトにとって間違いなく財産の一つでした。

どんなに感謝の言葉を尽くしても足りないほどの功績を、彼は残してくれました。その彼がいなくなること。それがプロジェクトに関わるすべての者に不安な思いを抱かせているのは、間違いありません。

しかし、彼がいなくなることで生じる穴を皆で埋めようと、残された者の中で話し合いが進められようとしています。ピンチがチャンスであることをこれまでの体験の中で何度も味わってきた私たちにとって、何度目かのチャンスが訪れたのだと考えたいと思います。

そして、地元であるつくば市に戻る矢口君の活躍を私たちなりに応援したいと思います。

皆様にも温かく見守っていただけたら嬉しい限りです。

来る年も皆様にとって幸多い年でありますように。

そして、変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。

 

吉田恵美子

特定非営利活動法人 ザ・ピープル 理事長

事務局 〒971-8101 福島県いわき市小名浜蛭川南5番地の6

TEL 0246-52-2511 FAX 0246-38-9538 携帯 090-2881-3107

URL:http://npo-thepeople.com/

(団体HPのアドレスが変更になっております。一度覗いていただけたら嬉しいです)

 

いわき市小名浜地区復興支援ボランティアセンター センター長

事務所 〒971-8164 福島県いわき市小名浜君ヶ塚町13-6

TEL/ FAX 0246-92-4298

http://onahama-volunteer.jimdo.com/

 

いわき おてんとSUN 企業組合 代表理事

事務所 〒970-1152 福島県いわき市好間町中好間字川原子作17-1

TEL 0246-80-0662 FAX 0246-85-5978

http://www.iwaki-otentosun.jp/